情報科学専門学校公式ブログ
2008年1月10日
 ■  私の夢☆

 皆さん、こんにちは。教員の磯江です。新しい2008年がスタートしましたね。

 昨年は、科学技術の分野で大きなニュースが幾つかありましたが、中でも11月に日米同時に、人の皮膚からあらゆる能力を持った万能細胞を作ることに成功したというニュースには大きな驚きと感動を覚えました。再生医療へ向けた確かな手ごたえのある研究成果であり、実用化への期待がいやが上にも膨らんでいきます。

 正月には、これからの残りの人生で科学技術がどれくらいまで発達するのを見届けることになるだろうかと、餅を食べながら想像を重ねたりしました。色んな分野の中で、特にコンピュータやロボットについてはどうかと考えていくと、まずロボットについては人型ロボットが最近急速に開発が進み、介護ロボット、ペットロボット、接客ロボットというようにどんどん人間に近づいているような感じです。

 ちょっと話しは飛びますが、昨年上映されてヒットした日本映画「続Always三丁目の夕日」では冒頭夢の場面にゴジラが登場し、首都東京を襲うという当時の子供(私もその一人)がわくわく興奮する場面が出てきますが、その頃同じように子供たちを夢中にさせたのが、手塚治の漫画「鉄腕アトム」であり、横山光輝の「鉄人28号」でした。


 その頃は夢か空想のようなものでしたが、最近テレビでも紹介された高橋智隆氏の開発したロボット「クロイノ」「ネオン」はまるで鉄腕アトムのようで、一方女性の動きと柔らかさを表現できる「エフティ」にはロボットを越えた魅力があります。また、バイオリンを弾くロボットも現われ、繊細な手の動きなどを見ていると、どこまで人間の動きに近づくのだろうと驚くばかりです。


 ところで我が家にもマイロボットが同居しています(写真参照)。昨年、購読していた雑誌のロボットの組み立てを完了したからです。何せ1号から75号までと週ごとの発刊で75週つまり1年半もかけて組み立てたわけです。1号につき部品10点と概算しても750点くらいの部品組み立てや回路の結線を行ったりしているわけで、中には狭い構造のところに手がうまく入らず、若干の切断部分が発生したりしました。1号あたり1390円なのでそれなりに小遣いもかかっています。実は最初それ程興味があったわけではないのですが、途中まで組み立てると止めれなくなってしまって、ロボット雑誌の営業戦略にまんまとはまってしまったというわけです。

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 次に、コンピュータの世界ではまだこれからの分野として量子コンピュータがあります。この量子コンピュータは、従来の0と1の組み合わせから、並行的に色んな組み合わせが実現でき驚くべき高速処理が可能なため、暗号化の技術RSAは簡単に突破されることになります。IBMでもまだ研究段階としながらも、現行技術が限界を迎える2020年からの技術として量子コンピュータの実用化を目指しているようです。

 日本では、東大の古澤研究室で、スクイズド光という特殊な光を使って、量子情報科学の実験が進められています。 この量子コンピュータが従来のコンピュータと大きく異なる点は、情報を扱うのに、量子力学的状態「量子状態」のもつ不思議な性質を利用している点です。


 つまり現在のコンピュータは0か1かという2つの状態を利用して二進法で計算していますが、量子力学の世界では、その単位のビットが0でもあり1でもあるという奇妙な状態を作ることが可能になり、例えば8ビットで0から255までの数字を同時に記憶でき、同時進行でそれらを計算することが可能になるわけです。学生の皆さんはこれらの技術が現実化するときに30代で企業の中堅になっていることでしょう。できれば夢の一端を担う技術者になってもらいたいと思います。

これが私の新春の夢です。

投稿者 isc_blog : 2008年1月10日 17:02

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