「世界の海をバリアフリーに!」 ~作業療法概論 特別授業~

本日は作業療法学科1年生の「作業療法概論Ⅲ」にて実施された特別授業をご紹介しますsun
担当は作業療法士 石井 有希先生ですtulip
「作業療法概論Ⅲ」の授業では"OT(作業療法士)としてのあり方"を学びます。実際に患者様と接する時に備えて知識だけでなく、どう向き合い、どういった向き合い方があるのか、施設見学や外部講師を招いた特別授業などを通じて、患者様との様々な付き合い方を学んでいくのです。
この日の授業では、ハンディキャップをもつ人にダイビング指導を行うインストラクター、椎名勝巳さんが特別講師として来てくださいましたshine
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皆さん「ダイビング」と聞くと、重いタンクを背負い、酸素の無い水中に潜る、という健常者にとってもハードなイメージで、障がいをもつ人にとっては厳しいスポーツのように感じるのではないでしょうか。しかし、椎名さんは「陸上でとんだりはねたりできなくとも、海の中でならそれができる」と語ります。
blog-2.jpgのサムネール画像
ここで、ハンディキャップをもった方と椎名さんがダイビングを行う映像を鑑賞しましたeye映像は、Cカードという認定取得を目指した活動、そして世界の海をバリアフリーにすることを目指す、椎名さんの活動を取り上げたドキュメンタリー番組です。
(映像:TBS「夢の扉」2006年1月放送)

ハンディキャップダイバーのダイビングは驚きの方法で始まります。なんと車椅子ごと海に入っていくのですsign03そこには、ハンディキャップダイバーが浮力により浮くことで海に入り、そして海中でタンクを背負うことで、重いタンクを担いで歩く負担を無くす工夫がされています。
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実際にタンクを背負わせてもらいました。18㎏のタンクは男性でも少し重そうですsweat01
車椅子ごと海に入るという方法は、重いタンクを背負わなければ海に入れないという常識を打ち破った、ハンディキャップダイバーにあわせたダイビングスタイルなのです。
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レギュレーター(呼吸器)をくわえ、口呼吸の体験もsun大きいマウスピース部分をはめるのは難しいようです。認定試験にはこのレギュレーターを水中で1回取り、また装着するという項目もあります。試験にむけた練習を行う映像の中では、手に麻痺のあるハンディキャップダイバーが、器具に付属するボタンを押す動作に苦戦する場面がありました。椎名さんは指ではなく、顎を使ってボタンを押せるよう器具を改造します。一人一人に合わせたダイビングスタイルを生み出すことで、試験合格に導いていくのです。

海中では無重力であるため、力の弱い足のキックでも、手の動きでも、前に進んだり、泳いだり、地面を押して飛ぶこともできます。それぞれのダイビングスタイルがある海の中の世界が、椎名さんのいう"バリアフリー"の世界なのです。
また、海の中では「生き物の世界が目の前に広がる」と椎名さんは話します。無重力で活動ができ、海の生き物たちの世界に入り込む体験を、ハンディがあるない問わず味わえることこそが、ダイビングの魅力です。

患者様と付き合っていくうえで、「患者様の生きがいや喜びをどうやって生み出していくのか」と考えることは、身体も心もリハビリをする作業療法士として大事なことです。今日の「作業療法概論Ⅲ」の授業はこれにて終了ですが、患者様とどんな関わり方があるのかアンテナを張って生活し、皆さん素敵なセラピストを目指してくださいhappy01


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このブログ記事について

このページは、横浜リハビリテーション専門学校Blog管理者が2014年6月30日 17:17に書いたブログ記事です。

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