今回は本校の在校生の関口なつきさんに作業療法士を目指したきっかけや横リハに決めた理由をインタビューしました！
「医療分野に興味を持ち始めたのは中学生の頃」
中学3年生の時に祖父母の体調が悪くなったことが医療に興味を持ったきっかけでした。その時、自分にできることが何もなく、祖父母のサポートをしている家族の力になれず悔しい思いをしたことを覚えています。そして、将来は専門知識を身に付け、患者様だけではなく、周りの人も支えられるようになれたらと思っていました。
最初は看護師に興味があったのですが、特に祖母の体調が悪くなってしまったときに、看護の疲れから家族がピリピリし始めてしまったのです。そこで、自分がずっと好きだった音楽で皆を癒すことができないかと思ったことから、医療と音楽の両方に興味を持ち始めました。
実は幼い頃からピアノを習っていて、中学では吹奏楽部に入部、高校も吹奏楽部に力を入れている学校を選んで進学していたので、音楽に対しての思い入れが強かったことも背景にあったと思います。
高校で自分の進路について本格的に考え始めた頃に、楽器店で見つけた「音楽に関わる仕事」というような本で「音楽療法士」という仕事を知ったことが転機になりました。
医療現場で自分の好きな音楽を活かせる仕事だったので、そこからは音楽療法士を目指せる音大の受験に向けてさらに練習の日々を過ごすようになったのです。
音楽療法士から作業療法士へ。進路変更のきっかけ
音大ではとにかく練習練習の日々で、大変ながらも充実した毎日を過ごしていたのですが、4年次で行った音楽療法の実習が大きなきっかけになりました。
私が通っていた大学では3年次に音楽療法を行っている現場を見学し、4年次にはセラピスト指導の元、音楽療法を実際に行ってみるというカリキュラムでした。そして、患者様とも関わる時間が3年次より長くなった中で、自分の医学的な知識不足が患者様にとってマイナスになる可能性がある、ということに気付いたのです。
もちろん知らない専門用語などは専門書でも調べましたが、それだけではわからないことも多く、もどかしさを感じていました。
そして、ある日患者様に「薬とか病気のことをちゃんと知っていてもらわないと困る」と言われたことから、医療系のことをきちんと勉強しよう、と決心したのです。
その時、現場に作業療法士の方がいらっしゃったことからその仕事に興味を持ち、大学を卒業してから再進学することを決めました。
「横リハを進学先に選んだ理由」
大学は現役生が多いイメージがありますし、カリキュラムも専門科目以外が多いことから、進学先は専門学校を考えていました。その中でも、高校の後輩が通っていた横リハは在校生の年齢層や経歴も幅広いと聞いていたので、自分も馴染めるし、もっと広い世界に出会えるのではないか、と思ったのです。やはり自分以外にも、様々な経歴のクラスメイトがいるというのは励みになりましたし、安心感や心強さがありました。
また、日々の勉強や実習、国家試験や就職に至るまでの先生方のサポートがしっかりしていると感じたので、「この学校なら大丈夫」と思い、最終的に横リハに進学することを決めました。受験までは、定期的に学校説明会に通ってモチベーションを下げないようにしていましたし、セラピストストーリーで現役のセラピストでもある先生方のお話を聞けたことも、とても刺激になりました。
「将来は心の柔軟な、幅広い視野を持った作業療法士になりたい」
再進学を決めたときに、両親からは最初反対をされ、大学卒業後は正規雇用でなくてもいいので、好きな音楽を続けてはどうかと言われました。ですが、私自身は医療と音楽とを両方活かせる仕事にきちんと就いて将来自立したいと思っていたので、親を説得し、最終的には同意してもらうことができました。
現在、学校で学ぶことはたくさんありますが、必要なことですし、新しいことを吸収できる環境を楽しんでいます。
また、作業療法では人をよく観察する機会が多いのですが、それを通じて同時に自分自身を振り返るという機会も増えました。その中で、自分は思っていた以上に「こうあるべき」と物事を固定して見る傾向があり、白黒をはっきりつけたがる性格だということに気づかされました。
一方で、私が目指している作業療法士の仕事では幅広い対応が必要だったり、正解がなかったりすることが多くあります。また、患者様の行動や言葉を受け止めてあげることも必要です。なので、自分の意見を押し付けたりせず、まず相手を受け入れる柔軟な心を持ち、そして幅広い視野を持てるようになりたい、と今は思っています。自分が勉強してきた音楽療法も活かしながら、患者様に寄り添える作業療法士を目指しています。
「何か弾いて！」というお願いに「あたりまえ体操」を完璧に演奏する
関口なつきさん 作業療法学科3年（国立音楽大学卒）
