作業療法の授業風景の最近のブログ記事

   8月から夏休みsunに入っている横リハ生ですが、教室を借りて自主的に実技の勉強をする学生を毎日のように見かけます。今日は、作業療法学科1年生がADL室(日常動作訓練室)を使用して、調理実習riceballを行っているところにお邪魔しました。

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 「リハビリの学校で調理実習...?」と思われるかもしれませんが、単に準備をし、調理し、試食をするのではなく、写真のように身体が片麻痺の状態で行います。eyeここでは皆利き手が不自由になった状態で調理をしています。

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 片方の手しか使えない状態では、普段は挟むだけでとても簡単に思えるサンドイッチもとても難しく感じます。例えばこんなペットボトルのキャップを開けるのも他の人の強力が必要です。sweat01患者様が一人で出来ないことはどんなことか、実際に体験することで気づくことが沢山あります。そして仲間同士で「ペットボトルを支える道具が必要だね。」「ロールペーパーはどうやって取ったらいいの?」など意見を交わしていきます。

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 自分で体験することで得られるのは、知識だけではありません。例えばこの動作、一見すると簡単そうに見えますが、利き手ではない左手で注いでいるので腕にとても力が入っています。一つひとつの動作に力が入り、また重心が不安定な状態で行うので、身体への負担も大きいのです。sweat01

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 さて、最後にbananaデザートappleの盛り付けです。最初のうちは簡単によそっているのですが...、ボールの中身が減ってくると入れづらくになり、腰を曲げないと出来なくなってしまいます。coldsweats02それでもどうもやりにくい...。

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 「ボールを少し自分の方に寄せてみたら?」とアドバイスされ、少しやりやすくなりました。何とか4人分盛り付け終えました!shineshine

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 テーブルもキレイに整い、お楽しみの試食タイムです!heart04普段当たり前のように行っている動作一つひとつが難しく感じながらも、話し合いながら工夫し、完成したランチ。皆とっても良い笑顔でサンドイッチを食べています。利き手じゃない方の手で、こぼさず上手に食べられるかも気をつけています。

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 楽しく過ごしながらも、"もし患者様だったら..."と言う視点で今日の実習について考え、意見を交わしました。
リハビリテーションの勉強は、教科書や授業で得られた知識も大切ですが、こんな風に実際に体験することで得られた情報も大切です。特に「患者様の気持ちに寄り添う」ことや「患者様の立場になって考える」ことでconfident、自分の身で感じ、考えるように出来るようになっていきます。今日の自主ゼミは、その第一歩になったと思います。
 1年生の皆さん、これからも仲間と一緒に沢山の経験を積んで行ってください。応援しています!

本日は作業療法学科1年生の「作業療法概論Ⅲ」にて実施された特別授業をご紹介しますsun
担当は作業療法士 石井 有希先生ですtulip
「作業療法概論Ⅲ」の授業では"OT(作業療法士)としてのあり方"を学びます。実際に患者様と接する時に備えて知識だけでなく、どう向き合い、どういった向き合い方があるのか、施設見学や外部講師を招いた特別授業などを通じて、患者様との様々な付き合い方を学んでいくのです。
この日の授業では、ハンディキャップをもつ人にダイビング指導を行うインストラクター、椎名勝巳さんが特別講師として来てくださいましたshine
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皆さん「ダイビング」と聞くと、重いタンクを背負い、酸素の無い水中に潜る、という健常者にとってもハードなイメージで、障がいをもつ人にとっては厳しいスポーツのように感じるのではないでしょうか。しかし、椎名さんは「陸上でとんだりはねたりできなくとも、海の中でならそれができる」と語ります。
blog-2.jpgのサムネール画像
ここで、ハンディキャップをもった方と椎名さんがダイビングを行う映像を鑑賞しましたeye映像は、Cカードという認定取得を目指した活動、そして世界の海をバリアフリーにすることを目指す、椎名さんの活動を取り上げたドキュメンタリー番組です。
(映像:TBS「夢の扉」2006年1月放送)

ハンディキャップダイバーのダイビングは驚きの方法で始まります。なんと車椅子ごと海に入っていくのですsign03そこには、ハンディキャップダイバーが浮力により浮くことで海に入り、そして海中でタンクを背負うことで、重いタンクを担いで歩く負担を無くす工夫がされています。
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実際にタンクを背負わせてもらいました。18㎏のタンクは男性でも少し重そうですsweat01
車椅子ごと海に入るという方法は、重いタンクを背負わなければ海に入れないという常識を打ち破った、ハンディキャップダイバーにあわせたダイビングスタイルなのです。
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レギュレーター(呼吸器)をくわえ、口呼吸の体験もsun大きいマウスピース部分をはめるのは難しいようです。認定試験にはこのレギュレーターを水中で1回取り、また装着するという項目もあります。試験にむけた練習を行う映像の中では、手に麻痺のあるハンディキャップダイバーが、器具に付属するボタンを押す動作に苦戦する場面がありました。椎名さんは指ではなく、顎を使ってボタンを押せるよう器具を改造します。一人一人に合わせたダイビングスタイルを生み出すことで、試験合格に導いていくのです。

海中では無重力であるため、力の弱い足のキックでも、手の動きでも、前に進んだり、泳いだり、地面を押して飛ぶこともできます。それぞれのダイビングスタイルがある海の中の世界が、椎名さんのいう"バリアフリー"の世界なのです。
また、海の中では「生き物の世界が目の前に広がる」と椎名さんは話します。無重力で活動ができ、海の生き物たちの世界に入り込む体験を、ハンディがあるない問わず味わえることこそが、ダイビングの魅力です。

患者様と付き合っていくうえで、「患者様の生きがいや喜びをどうやって生み出していくのか」と考えることは、身体も心もリハビリをする作業療法士として大事なことです。今日の「作業療法概論Ⅲ」の授業はこれにて終了ですが、患者様とどんな関わり方があるのかアンテナを張って生活し、皆さん素敵なセラピストを目指してくださいhappy01


 本日は作業療法学科1年生「地域作業療法学演習」の授業をご紹介します。担当は作業療法士 机 里恵先生です。

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   この日の授業は、「集団療法」eyeについて学びました。人は一生を終えるまでの間に、学校や職場など、様々な「ひとの集まり(集団)」と「場」の中で生きています。集団療法は、この「ひとの集まり(集団)」と「場」の力を利用して行うリハビリテーションです。※1
先生と一緒に実際に行われている集団療法を体験し、セラピストとして参加者との関わり方や気をつけるべきことなど多くを学びます。そして最終的には限られた条件・環境の中で集団を構成し、レクリエーションプログラムを組んで行う力を身につけます。
 本日は老人保健施設で行われている集団療法を体験しました。こんなプログラムになっています。

※1ひとと集団・場(三輪書店)はじまり(初版プロローグ)ⅶページより引用

【プログラム内容】
・オリエンテーション
・準備体操
・歌体操
・歌
・風船バレー
・ことわざゲーム

  まずはオリエンテーションと準備体操です。利用者様が分りやすいように、聞き取りやすい声でゆっくりと順序立てて説明していきます。準備運動の際には、身体のどこを動かすのかジェスチャーなどを交えて伝えていました。

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  手指を使った歌体操は、午前中のまだぼんやりとした脳の働きを活発にする効果もあります。「1・2の3・4の、2の4の5...、」と言う先生の掛け声に合わせて指を動かしていきますが、集中しないと間違えてしまいます。coldsweats01

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あれあれ?皆ちょっと違う...(苦笑)coldsweats01

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 準備運動も出来たところで、皆で歌を歌います。今日の歌はsun昭和23年岡 晴夫さんのヒット曲「憧れのハワイ航路」sunです。横リハ1年生は殆どの学生が知りませんでした(!)
「昭和20年(1945年)は何の年?」と聞いても、なかなか思いつく人はいません。だけど、老人保健施設の利用者様にとっては昭和20年も、「憧れのハワイ航路」もとても馴染み深い言葉でしょう。参加する方にとって分りやすくて、話しやすい話題を取り入れていくことも重要です。歌いやすいように歌詞にあった振付もついています。

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 さて次は風船バレーです。風船は可愛らしいハート型heart02をしています。どこに飛んで行くか分らないので、利用者様の後ろでご家族が協力します。ここでは渡す相手の名前を呼び合いながら風船をパスしていきます。

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 ここで利用者様役とご家族役が交代します。次のグループでは風船バレーの代わりにことわざゲームをしました。床に並べられたのは、体に関わる漢字のカード。ご家族が持っているのは空欄のあることわざです。皆さん全部分かるかな?eye

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利用者様同士でグループになってもらい、協力しながら全ての空欄を埋めていきます。scissors

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最後に先生による答え合わせをして終了です。shine

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 さて、利用者様とご家族、そしてセラピストが皆で集まって行ったこのレクリエーションにはどんな効果があるのでしょうか?そのいくつかを考えてみましょう。

1)参加者が希望を持てる
皆で一緒に体を動かしたり、歌を歌ったりすると自然と笑顔happy01が生まれます。何らかの障がいで治療や援助を必要としている方とその家族にとって、楽しい会話や笑顔が生まれることによって「何だかやれそう」とポジティブになれる機会はとても大切です。


2)参加者が安心感を得られる
例えば、ハート型の風船は誰がやっても思った通りの方向には飛んで行きません。上手くやれないのは自分だけじゃなく、皆一緒なのです。こうした体験で、「どうして自分だけこんな目に...」と言う気持ちが、「自分だけじゃないんだ」confidentと言う安心感に変わります。

3)人の役に立てる実感
何でも自分で出来ていたのに、今では家族や誰かの援助を必要とし、「自分は誰の役にも立てない...」と自身の価値を感じられなくなってしまう方も多くいます。だけど懐メロや昔の生活やそこから生まれた知恵や知識など、若い私たちが知らない多くのことを参加者は知っています。私達が参加者から沢山のことを教えて頂くと、その時参加者は自分が誰かの役に立ったという実感を得ることが出来ます。

 

他にも集団療法には様々な効果が考えられます。一方集団で行うリスクも想定し、セラピストはレクリエーション・プログラムを組んでいく必要があります。

参考文献:ひとと集団・場(三輪書店)

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 高校時代の勉強や、大学の講義とは一味違う横リハの授業、アナタもぜひ体験してみませんか?
8/2(土)ビギナーズ・リハビリ体験ゼミ
今も病院・施設でセラピストとして活躍する専任教員の授業を夏休みに体験できます!教科書には載っていない、臨床経験から教える先生のゼミ。ぜひ体験してください!happy01

  定期テスト期間を終え、横リハは『特別授業期間』になりました。特別授業期間には、実習前に復習しておきたい実技を練習したり、臨床現場で役立つ知識を学ぶなど、学生と相談し、より実践的な学習に取り組むことが出来ます。学年を超えて、先輩が後輩に教える授業など、毎年様々なメニューで積極的に実施しています。
 今回はこれから長期の臨床実習を控えた作業療法学科3年生の特別授業の様子をお伝えします。実際に患者様を診るための知識を、実技を交えて現役で活躍する卒業生から教わりました!

ゲスト講師は、本校作業療法学科11期卒業生 玖島弘規(くしま ひろき)さんです。

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  玖島さんは現在 横浜市内の総合病院で作業療法士として、主に急性期の脳卒中の患者様のリハビリを担当しています。急性期とは、病気などを発症してあまり時間が経っていない状況で、経過が短く、容態が変化しやすい時期を指します。また、急性期リハビリテーションとは、発症してからできる限り早い段階で行うため、患者様の容態は安定していない場合も多く、リスク管理をしっかりと行いながらリハビリテーションを提供していく必要があります。

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   本日の特別授業では、急性期の脳卒中の患者様を診る際に必要な知識を教えて頂きました。まずは玖島さんの学生時代の担任だった松本先生が患者様役となって、玖島さんが実技を交えながら解説をしてくれました。例えば急性期の患者様は点滴をしていたり、心電図などモニターに繋がっているケースが多いので、身体を動かす際には誤って点滴が外れてしまうようなことがないよう、安全にリハビリのできる環境の確認を行います。その上で、患者様の意識ははっきりしているか、呼びかけに応えられるかどうかなどを確認していきます。

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  そして手足がどれ位動かせるか、また感覚はどうかなどを確認していきます。患者様が会話ができるようであれば、確認しながら家族構成や以前別の病気を発症したことがあったかなどの情報収集も行っていきます。
 このような確認を、寝ている状態や座っている状態などで診ていきますが、どちらの状態でもまず大切なことは、患者様が楽な状態で寝られているか、座れているかを確認することだと玖島さんが教えてくれました。また、急性期の患者様を診る際には、積極的により多くの情報収集を行う必要があるとのことでした。

  長期の臨床実習を控えた学生さん達は真剣にメモを取って、話を聞いていました。先輩の解説後、グループに分かれて実践し、最後に皆の前で発表しました。患者様を診る知識は臨床実習においてとても重要な知識です。正確に患者様の状態を把握できれば、どんなリハビリを行うか計画を立て、どのような結果が導き出せるかを予測していくことが可能となります。多くの学生さん達が勉強の成果を皆の前で発表することが出来ていたと、担任の松本先生がおっしゃっていました。
 それでも臨床現場では、学校では予想がつかないことがたくさん起きます。そんな状況になった時に為に、どんな準備や心構えをしたらよいかなどを玖島さんが話してくれました。
 先生、先輩、そして仲間たち...皆で支え合いながら、彼らはこれから長期の臨床実習に向かいます。

今回は2年作業療法学科の授業「運動学実習」のご紹介です!

運動学実習では、学生がグループ単位で実習テーマを設定し、課題の分析を行います。

 

今日は片マヒの方を想定した着替え動作の分析をしている6グループにお邪魔しました。

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関節を固定したりバランスが取りづらい状態にして片マヒに近い状態にします。

 

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写真↑は麻痺のある方の状態を設定し、着替え動作を動画撮影し分析しています。

分析では答えを見つけるのではなく、生じた現象から何回も考えて、納得した考えをもつことが大事です。


分析の過程、結果から作業療法士として臨床的応用について考察できることを講義目標にしています。

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2OT 6グループのみなさんありがとうございました。

まとめ頑張ってくださいhappy01


 

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