このコーナーでは、学校説明会にて実施される本校専任教員によるリレートーク「セラピストストーリー」をダイジェスト版でお送りします
現役セラピストとして今も病院・施設で活躍する専任教員が、自身の経験や仕事への想いを語るストーリーは毎回
大好評
です。セラピストを目指す皆さんが目指す理学療法士・作業療法士はどんな仕事なのか再確認し、決意をより固めて頂けたら嬉しいです
第1部 理学療法士 長谷 達也先生
具体化のススメ
~何で何で星人の前に道は開かれる~
みなさんは生活の中で、嬉しかったり楽しかったり
、悲しかったり落ち込んだり
など、様々な気持ちになると思います。では、皆さんは普段何気なく抱くその気持ちを、"何で"抱いたのか考えたことはありますか?
例えば、皆さん好きな芸能人いますか?その人の"何が"良いから好きなのでしょうか。タイプだから?ルックスが良いから?
今回は、こんな「好き」という感情のように、明確な理由が見えにくいことを長谷先生と一緒に「何で何で?」と考えて、具体的に言葉で表してみましょう
まず受験生に置き換えて考えてみましょう。「英語が嫌い!」という方は"何で"嫌いなのでしょうか?おそらく、英語が「難しい」と感じているからだと思います。では、さらにもう少し具体的に"何が"難しいのでしょうか。「単語が覚えられない」「時制が区別できない」「関係代名詞が分からない」...。
こうして"何で"を具体的に考えていくことで、英語が嫌いな原因が見えてきませんか?
「何で何で?」と追求して考えていくことで、英語嫌い克服への課題が明確になっていくのです。ではここで、患者様とのリハビリに置き換えて考えてみましょう
この表は患者様の問題点をまとめたものです。下線部にある"トイレ動作自立困難"とは、具体的にトイレ動作の"何が"困難だと感じたのでしょうか?また、その「困難」とは"どんな"状況なのでしょうか?この一文ではトイレ動作の何を改善すれば良いのか、また、どのようなことができれば可能になるのか分かりません。ではまず、布団で目を覚ましトイレへ行くときの動作を一つ一つ具体的に考えていきましょう
・尿意、便意を感じる →・ふとんをどける →・立ち上がる
→・トイレまで移動する →・ドアを開ける →・トイレに入る
→・ドアを閉める →・向きを変える →・ズボンをおろす...
と、このように一言で「トイレ動作自立困難」と言ってもそこにはたくさんの動作があります。次に困難とはどういう状況なのか具体的に考えてみましょう。
・転んでしまう ・服やトイレを汚し失敗してしまう ・移動や更衣に時間がかかる...
こうして具体的に考えていくことで、この患者様の場合は「トイレ動作」の"ズボンをおろす時"に"膝が悪く転倒する可能性が高い"ため「自立困難」と判りました。これで何を目標に訓練していけばよいのか見えてくるのです。
曖昧なことや、抽象的なことを「何で何で?」と理由を考え、具体的に表現していくことでやるべき課題が見えてくるはずです。受験を控えた皆さんも、何で理学療法士になりたいのか、何でこの学校を志望したのか、入試の前にもう一度「何で何で?」と考えて受験対策に繋げてください
曖昧なことはそのままにせず「何で何で星人」になって解決していきましょう
*スライドに登場したのは理学療法士の椎野直樹先生です
第2部 作業療法士 杉山 修先生
意欲を引き出す作業療法
~患者様との関わりから~
患者様とリハビリをしていく上で、患者様自身の意欲はなくてはならないものです。セラピストの一方的な技術だけでなく、患者様が自ら「活動したい」「何かがしたい」という意欲をもつことがリハビリなのです
今回のストーリーで杉山先生は、どのように患者様とコミュニケーションをとり、患者様の意欲を引き出していけばよいのか、お話ししてくださいました
Aさんは脊髄小脳変性症を患っています。脊髄小脳変性症とは、神経細胞が徐々に破壊され運動機能が低下していく病気です。病気が進むとともに身体が衰えていくことを自覚するので、Aさんは時々転倒してしまう自分に自信を失いかけています。
では、そんなAさんの意欲を引き出すにはどうしたらいいのでしょうか?
Aさんは昔から物づくりが趣味と知り、作業活動として割り箸細工を行いました
この作業を通じて、Aさんは物づくりでの創造性や、自分で作成する主体性を体験することが出来ます。患者様に合った作業活動を提案するには、患者様を知ることが第一歩です
作品を完成させたAさんは自分で完成させた達成感
や物を作りあげた充実感
を味わうことができました
そして、身体能力が衰えていくことばかりを考えるのではなく、今の自分が出来ることに目を向ける前向きな気持ちが出てきたのです。
作業療法士は患者様の意欲を、どう作業活動で引き出していくかが大事です。自分の意欲を引き出すのも大変ですが、相手の意欲を引き出すのもとても難しいことです
今回のストーリーをきっかけにセラピストを目指す皆さんは、勉強
や部活
など身近なことで意欲はどうやって引き出されるのか、考えてみてください
次回のダイジェスト版セラピストストーリーは、第6回学校説明会にて実施した、
第一部 理学療法士 岡村 孝治郎 先生
センスアップ体験授業
~見て、聴いて、考えて、理学療法を感じて下さい~
第二部 作業療法士 秋本 浩 先生
世代とアニメと精神と!
~時代の変化をよく見ることが作業療法士は大切!~
となります!お楽しみに